日本の携帯電話は世界的に見て劣ってしまった現実
携帯電話を更新することを考えて、各メーカの夏モデルを見てたらなんだか悲しくなってきたので、突発的に書いたエントリです…
日本の携帯電話は世界一進んでいる、携帯電話からインターネットも利用できるし、端末の機能も通話のみの機能しか持たない海外のものよりはるかに優れている…そんな話が、特にi-modeの成功が確定した2001年頃からよく言われるようになりました。
それから5年ほど過ぎた現在、今の日本の携帯電話の現状はどうでしょうか? 携帯電話のバグのニュース(「みられまくっちゃ」と入力すると落ちる携帯に「%n」および「%S」と入力しても落ちる携帯) には事欠かず、機能ももはや欧米、アジアの同価格帯の端末に比べ、見劣りしはじめているように思います。
海外にSMSは送れず、bluetoothは搭載しない、PDAに近くPCのようにwordファイルを扱ったりできるスマートフォンの分野では、PHSキャリアのwillcomでw-zero3という形で(不完全ながらも)かろうじて立ち上がり始めたという体たらく。
最近立ち上がりのサービスと言えば、ミュージックケータイなんてのがプッシュされてウォークマン携帯なんてのもでてますが、このサービスが欺瞞に満ちたどうしようもなくくだらないものである事は、以下の記事で全てが語られていると思います。
やはりせっかくウォークマンを名乗るのであれば、せめて現ウォークマンがサポートしているビットレートのATRAC3やATRAC3plusはサポート して欲しかったし、さらに利便性を考えればMP3やAACの再生にも対応して欲しいところだ。後日ファームウェアのアップデートなどで、ここも規制緩和さ れるとうれしいのだが。
(中略)
日本で発売されるウォークマンケータイW42Sの音楽再生機能は、むかーしメモリースティックウォークマンと言っていた時代のウォークマンと、機能的には変わらない。そしてそのウォークマンがどのような業績を上げたかといえば、言うまでもあるまい。だがこのケータイは、実際には売れてしまうだろう。au、ソニー・エリクソン、ウォークマンの3ブランドが揃って、注目されないわけがない。そもそも電 車なんかで聴くケータイの音楽再生機能に対して、そんなにムキになって言うことないじゃないかという話は重々承知しているが、逆にそれを言いだしたら下限 が限りなく低レベルになってしまう。
その低レベル化によって消費者に聴く耳を持たせなかった結果が、結局日本の音楽シーンをダメにしたと思う。ケータイの音楽再生機能は、日本の音楽産業に とって非常に重要な位置を占める。そこにウォークマンブランドとして名乗りを上げる以上は、それ相応の位置付けとクオリティを期待しようというものだ。
ソニー単体で出すウォークマンではなく携帯電話ということで、いろいろな制限があったり、既存サービスとの共存も図らなければならず、なかなか思い通り の仕様に仕上がらなかったのではないかと想像する。パケットを使って貰わなければ話にならないキャリアにしてみれば、ローカルで完結してしまうウォークマ ンの機能は、微妙なポジションなのだろう。
小寺信良の週刊「Electric Zooma!」 第263回:ウォークマンケータイ「W42S」の音楽再生機能を試す ~ そこにウォークマンの魂はあるか ~
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20060628/zooma263.htm
海外では、同じSony Ericcsonから、W42Sよりはるかに高いビットレートで、かつ利便性の高いmp3が再生できる端末がとっくに発売されています(ex.2005年のw800i)
結局のところ、どこまでも日本の携帯電話のマーケットはクローズドだという事に問題があると思います。アプリは自由な開発ではなくキャリアの審査を受けなければならず、キャリアの利益を守る為に消費者の望む機能を廃し自由な使用を阻害して(ex. mp3が使えないウォークマン携帯)、あげくに日本の外の標準には目もくれず独自の開発を続けて、バグを連発する結果(Linuxベースででも開発してやればだいぶ負担は分散するだろう)に。
独自規格でごねまくった挙句に普及に失敗して、docomoは国際ローミングの為にGSMとW-CDMAのデュアルモードLSIを結局、TIと組んでやる(GSM非対応のローミング可能端末ではアメリカ、中国では使えません、ってよく恥ずかしげもなく宣言できたもんだ…)というところに落ち着きました。
クローズドで保護された市場は確かに2000年過ぎの市場の立ち上がりには有効に作用したのかもしれません。しかし、保護される代わりに、消費者ではなくキャリアの都合ばかりを考え、顧客ニーズを捉える競争をしてこなかった事が端末メーカの開発力にどんな影響を与えたかは、想像に難くありません。
今最も暑い中国市場では、Nokia、Motorola、Samsungに太刀打ちできなかったどころか、日系企業が中国携帯電話市場から続々撤退、日本政府の「過保護」が裏目にという状況であり、もはや日本においては、世界中で誰も使いたくないような劣った端末を無理やり使わされている、という感さえあります。Motorolaは市場シェアを取りに行くために端末に無線LAN機能を持たせ、skypeをプリインストールするという決断をしましたが、そんな決断ができる端末メーカは日本には存在しなくなってしまいました(かつては先端的な端末を世界に誇っていたのに、悲しむべきことです)
結局、自分が欲しい機能をもった携帯を自由に選べるよう(せめてbluetoothと無線LAN、mp3再生くらいつけて欲しい)になるには、新規参入組のキャリアが海外の端末メーカの安くて、なおかつ、キャリアではなくて消費者が求める機能を搭載した端末をどかどか投入してくれる事によってしかないようです。正直、4GBものストレージを内蔵していながらUSBからその内の512MBにしかアクセスできない端末なんてものを発売せざるを得ない市場なら、現状の参加者ごとぶっ壊された方が少なくとも消費者としてはありがたい状況でしょう。まともに使える端末が日本で買える日が早く来ることを望むばかりです。
追記 @2006/08/11
CNET Japan Blog - ケータイ時代のスタンダード:日本はケータイ(利用)先進国ではなくなったかもしれないでは、キャリアに制限されず、インターネットに直結できる端末が使用できる米国での日本よりはるかに先進的な事例が紹介されています 。
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